「 4月, 2015 | てんこのてくてく遍路道 - パート 21 」記事一覧

2015.04.10 45日間の旅日記

1日目 初日から試練 どしゃぶりのスタート

         
2015年4月10日 1日目 雨
参拝札所
1番(霊山寺)→2番(極楽寺)→3番(金泉寺)→4番(大日寺)→5番(地蔵寺)→6番(安楽寺)
歩数
28,633歩
距離
18.7km
宿泊
安楽寺宿坊

朝6:41、徳島駅に着いた。想像以上に大きな駅。

徳島駅から1番札所の最寄り「板東駅」までは乗り継ぎなしで行ける。

本来、歩きお遍路は四国入りしたら全て歩かなければいけないらしい。本当は徳島駅から板東駅までも徒歩で行くべきだが、ここは初心者。しばらく乗れないであろう電車の有難みを感じながら、電車に乗りこむ。

電車の中でも、お遍路に行くであろう服装の方々を何人か見かけた。さすが春。お遍路でにぎわう時期なのだろう。

電車に揺られ30分ほど。7:38、板東駅に到着。

降りた先は、雨だった

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え、初日から雨ですか。駅の中でいそいそと雨具を取り出す。

レインウェアーを着たが、雨は思ったよりも強く、レインウェアーの帽子では、ガンガン雨が顔に当たる。手荷物になるからと傘など持っていない。

幸先に不安を感じながら、1番札所に向かう。

地図を開きたいが雨の中、本を出せない。脳内で地図を思い出しながら、歩き出す。一緒に駅を降りたお遍路さんは、早くもどこかに行ってしまった。

とはいえ、板東駅から1番札所までは歩いてすぐの場所にある。

1番札所でお遍路グッズを購入予定なので、とにかく足を進めた。

歩いて約15分。1番札所に到着。(写真は1番札所の売店)

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身支度はここで買う予定だった。

参拝前に、納め札の購入や身支度を整えなければいけない。

こちらで以下を購入した。

・金剛棒・・・1,600円

・納経帳(B5サイズ、御朱印入り)・・・2,500円

・白衣(長袖、御朱印入りしかなかった)・・・2,200円

・納め札・・・200円

・勤行本(お経の本)・・・500円

・菅笠・・・1,500円

サイズや質によって値段はピンキリだったが、なるべく安いものを購入した。服装はもっと揃える人もいるが、最低限のものだけ購入。

正直、お遍路の格好にまだ恥ずかしさがある私は、菅笠の購入予定はなかったが、あまりに雨が酷かったのですかさず購入した。のちに、この笠が 旅の最後まで役立ってくれる。

装備を揃え、1番札所の境内に入る。

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普段の参拝と同じように、手と口を清め、本堂へ。

ろうそくと線香を取り出し、納め札を取り出す。ここで気づく。納め札に名前が無い!

いそいそと境内で納め札に名前を書く。これが住所と名前と文字数が多いのでなかなか大変なのである。しかも雨。立ちながら雨に当たらない場所を見つけ、名前を書いた。

思い返せば、売店にテーブルとペンがあったのは、納め札を書くスペースだったのかもしれない。実際、今日一日に回るのは6番札所まで。つまり本堂、大師堂併せて12枚の納め札が必要なのである。

納め札を書いて、お経を読む。聞いたことがあるフレーズではあるが、口に出すのは初めてだ。うちは曹洞宗なので葬式でも詠まない。周りの方々が一人二人と消えていき、自分のぎこちないお経だけが聞こえるのが、恥ずかしい。なんとか最後まで読み上げると、足早に大師堂に向かう。同じように繰り返す。経は三回復唱するのだが、一回がやっとであった。

こんな初日でも最終日には三回しっかり暗唱できるようになるのだから、すごいものである。

1番札所は、納経帳を売店で買うと御朱印が書いてあるので、御朱印をもらう必要がない。

参拝はこれでいいのかと挙動不審ぎみになりながら、1番札所を後にした。今思えば、もっとゆっくりしたかったが、雨、雨、雨。

とにかく2番札所に向かう。

向かう途中で、本日の宿について考える。初めての宿は宿坊にしようと決めていたので、6番札所の安楽寺に電話を入れることに。

コンビニの軒下で初めての電話。妙に緊張した。当日予約で申し訳ないと伝えながら、宿の空きを確認する。電話の対応は優しく、宿も空いていた為、良かった。

宿も取れて安心したところで、また歩き始める。

2番札所もさほど離れておらず、9時近くに到着した。

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2番札所、極楽寺を参拝して次へ向かう。

道に迷わないか不安ではあったが、噂通り見かける標識↓。

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特に、徳島は案内が丁寧で地図をほとんど見ないで歩くことができた。初日の道は、ほぼ平らで歩きやすい。

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んん?シホン?↓

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初めての四国の道を満喫しながら、10:30頃、3番札所金泉寺に到着。

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なんだか煌びやかな建物だった。雨でなければもっとゆっくり見たかった。本当に天気が悔やまれる。

あとお遍路さんが想像以上に多い。団体さんも多いからか、境内はどこを行っても賑わっていた。

初日なので、ペースも距離も分からずとにかく歩く。

途中の床屋さんで見つけた看板。

『男人 決意の丸坊主、女人 覚悟の丸坊主』

このフレーズとても好き。やはりお遍路を始める最初の町ならではの伝統やユーモアがあるんだと思った。

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看板の矢印通りに進むと小道に入ったりと、国道から逸れる。敢えて一般道を歩かないような道順だった。

桜が咲いて、春の陽気。雨も少しずつ小雨になってきた。

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12:00頃、4番札所、大日寺に到着。

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続いて、5番札所地蔵寺へ。境内は広く、立派な建物だ。

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本日何も食べていないので、食事処を探すと、地蔵寺の近くの交差点でお好み焼き屋さんを発見した。

個人経営の小さなお好み焼き屋さんで、こどもでもおこづかいで来れるほど、良心的な値段。入った途端に、おばあちゃんが「お遍路さんいらっしゃい」と笑顔で迎えてくれた。

雨で椅子が濡れるのを躊躇う私に、「全然きにしなくていい」とリュックを置いてくれた。

イカのお好み焼きを注文。なんと500円。シンプルのであれば、もっと安かった。

「あれ、豚だったけ?」「いえ、イカです」「そうかい、そうかい」

という会話後、来たのは、豚のお好み焼きだった。

いや、いいんです。豚も美味しいよね。

焼いてくれる優しい女将さんに、イカとは言えず。

まずはお疲れ様。今日初めての食事にありつく。

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ああ、しみわたる…。

優しい女将さんは、お接待におにぎりもくれた。人生初のお接待。本当にあるのだと、その優しい文化に感激しながらおにぎりを食す。鉄板で焼いて食べるととても美味しかった。

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お腹も満たされ、お礼を言って宿坊でもある本日最後の6番札所に向かう。

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地蔵寺からおよそ5km。14:30頃に安楽寺に到着する。まだ昼過ぎなので、次の札所まで行けそうである。

だが、まだまだ初日。早めに宿に入って休むことにした。

宿坊と聞いて、境内の一角に雑魚寝で敷き詰められて寝るのを想像していたが、部屋は六畳一間の綺麗な鍵付き部屋だった。

テレビは無いが、洗面付きで泊まるには十分である。

宿坊は団体客も多く、客室は多いとはいえ、宿取りは早めが良いと思った。

明日の宿も取っていないので、明日の宿を電話する。

明後日は最初の難関と言われる焼山寺が待っているので、少しでも距離を短くしたく、藤井寺に一番近い旅館吉野に電話した。

すると「女性ならば相部屋なら用意できるのですが」との返答。

まだ初対面の方と相部屋になれるほど旅慣れてなかったので、他を探すことにした。早くも宿取り合戦の勝負が始まっている気がした。

ネットで調べて評判の良いさくら旅館に電話をかける。快くOKの返事。予約が取れてほっとする。この旅館は藤井寺から2kmほど離れるが、次の焼山寺の山登りの為に、朝食をお接待してくれるという良心的な宿だ。

続いて、明後日の焼山寺を登った後の宿を取る。この日に宿が取れなかったら、山登り後に野宿、、それは嫌だ。お遍路ころがしがどれほど大変か分からないが、これもネット情報でなべいわ荘というところに予約をとった。二日分の宿は確保でき、一時安心である。

濡れた服を脱いで、食事前にお風呂へ。安楽寺の宿坊は、温泉があり、お風呂が大きい。冷えた身体にはとても助かった。

部屋に戻って荷物の整理をすると、リュックの中身は、雨でびしょびしょだった。

お経も地図も、初日にして、すでに玄人並のくたびれ感。

レインカバーをリュックにかけていたし、レインウェアーもリュックも防水スプレーをかけていたのに、この有様である。

リュックの中身は、ビニール袋やジップロックに入れ、雨対策をした方がいい。次の日の服まで洗濯しなければいけなくなる。

食事は食堂にみんなが集まって一斉に行う。精進料理と聞いていたが、思っていた以上に豪華。

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天ぷらも美味しく、バランスも取れていて量も丁度良かった。

この宿坊は、朝にお勤めとするのではなく、夕食が終わった後に行うらしい。やはり次の日に焼山寺に行く人も考慮してのことなのだろうか。

お勤めは、一言でいうと神秘的だった。

普段入れない聖域をまわれるので、一度は宿坊に泊まることをお勧めする。特に安楽寺の宿坊はとても評判がいいのが分かった。

初日が終了し、普段絶対寝ない時間に就寝。

明日は雨が止むといいと、濡れたお経を乾かしながら思った。

本日の宿

安楽寺宿坊
オススメ度 ★★★★★
料金 夕食・朝食付き 7,200円
部屋の広さ 和室6畳
浴衣 部屋鍵
洗濯機(100円) 乾燥機(100円)
洗濯洗剤 ドライヤー
テレビ × ハンドタオル
バスタオル × 石鹸orボディーソープ
シャンプー リンス ×
その他 洗面付・風呂トイレ共同

本日の出費

交通費(徳島駅→板東駅)
260円
お遍路装備費等
9,140円
昼食代
500円
宿泊費(夕食・朝食付き)
7,200円
洗濯機+乾燥機
200円
計 17,300円