6時半。出発。今日は雲が多い日だ。

4月も最終日。

↓鯉のぼりを吊るしている民家も多い。旅をしていると日にちの感覚がなくなるがGWが近い。観光客も増えてきたように感じる。

↓これは。。。恵比寿様か・・？大黒様か？ゆるキャラか？

↓どこの何に注意なのか。矢印の先には何もなかった。

昨日買った薄皮クリームパン。

大好きなパンだ。

5個入というのも良い。

昨日の残りを朝ごはんで食べながら歩く。

国道から反れ、人通りの少ないお遍路道に入る。

この日も基本的に平坦。

↓国道の歩道がほとんど無く、山道に誘導される。

山道と言っても坂道でないので歩きやすかった。

蛇は出なかったので良かった。

↓高知といえば「新高梨」！

季節ではないが某ラジオで有名だったので看板にテンションが上がる。

雨がたまにポツポツ。

グズグズした天気。前にお遍路さんの姿が見えた。札所や宿では会うが、道を歩くお遍路さんは久しぶりに見た気がする。

しばらく行くと。黒潮町の看板が。クジラに会えるまち。素敵だ。そういえばクジラ肉の加工品のお土産をよく見かける。

道の駅を発見し、昼食を取った。

畏まったレストランではなく、フードコートはお遍路さんにも寄りやすい。

カツカレー美味でした。

道の駅のソフトクリームに惹かれながらも我慢して、日持ちする食料を探す。

パン屋があったので、大きなくるみパンを買った。数日、少しづつ食べよう。

道の駅からは海も見え、とても景色が良い。

国道の歩道も整備されており、左側には海。絶景を堪能しながら歩く。

↑田んぼと海が一面にある不思議な光景。青空だったら田んぼに映る青と海の青と空の青が綺麗だと思う。

ご飯を食べ、午後に歩きだしてから3時頃。

休憩所があり、明後日の宿の予約を取ろうとした。

この先は足摺岬で観光地。

宿が多いのですぐに予約できるだろうと楽観視していた。

金剛福寺の近くの宿に電話する。

すると、空きが無いと言われる。

1軒目はしょうが無い。お寺の近くだからと、次の宿にかけるが、2軒目、3軒目、4軒目、5軒目。。。と尽く断られる。

満室。

そうなのだ。GW真っ只中。

観光地の宿など、三ヶ月前から埋まっているに違いない。

やってしまった！

6軒目。

7軒目。

8軒目。

9軒目。

まったく空きがない。

お寺からどんどん離れた宿になってしまう。

しかし、もう泊まれれば良いと、半泣き状態で宿を探す。

そして、10軒目。「民宿高原」に電話すると、空きが1部屋あるとの返答が。

よかった！

と思ったのもつかの間

「何人の予約ですか？」

「一人なんですが」

「1人？」

「はい、お遍路をしていて女性ひとりです」

「ごめんなさい。GW中は2人以上の予約しか受けていません」

「え」

ここに来て人数制限があるとは思わなかった！

しかし10軒目、コレを逃したら泊まる場所が無いと泣きつく。

「部屋が10畳あるので、GWは1人では受けてないんですよ」

「そこをなんとか！10件くらい断られてて・・どうにかなりませんか？」

しばらく沈黙後。

「今回は特別ですよ」

と苦笑いの女将さん。

半泣き状態でありがとうございます！と伝えた。

GW怖い。

そのまま、明日泊まる予定のロッジカメリアに電話し、足摺岬の打戻りの宿泊も予約した。そこは空きがあり、一安心。

すっかり、電話で30分以上も費やしてしまい、出発しようとした、

その時、、

「いまどこですか？まだ着かないんですか？！」

今日の宿「民宿日の出」からの催促の電話だった。

驚いて、（土地勘が無く、今の場所は分からないが）あと1時間ほどで着くと話す。

「食事は17時半なので！！早く来てください！！！」ガチャ

乱暴に電話が切られる。

知らなかった。

食事の時間、そんな早いんですか？

予約の電話の時は優しく対応してくれたのに、変貌ぶりに驚く。

怖くなって、駆け足で歩き出した。

しかし、今日の終盤、足も疲れており、気持ちは焦れどそう速く歩けるわけではない。

ひたすら歩く。

5~6kmほど行ったところだろうか。

ようやく、宿が見えた。

玄関は奥まったところにある。

17時20分。ご飯ぎりぎりの時間に到着した。

玄関に入ると不機嫌そうなご主人の姿。

部屋の案内をしてくれる時、運悪くいつしかの関西弁のお遍路おじちゃんに会う。

「遅かったね」

などと、玄関で話しかけられるが、今はご主人の機嫌がとても悪い。

早く部屋に案内したいのに、話しかける関西弁おじちゃん。今はやめてくれー！と心の中で叫びながら雑談が終わると、ご主人が部屋に案内してくれた。

「お風呂は後にしてください！すぐ夕食なので！」

部屋に入って早々、荷物を置いてすぐに食堂に向かった。

食堂にはお遍路さんが2人。

関西弁のおじちゃんと、逆打ちお遍路の男性だった。

自己紹介などしている間、食事が運ばれる。

食事は今までの宿の中で1番豪華だった。

しかし、ご機嫌がすこぶる悪いご主人。投げつけるように音を立てながら食事を置いていく。

きっと、他の客がお遍路だったこともあり、他の人が着いているのに、比べて遅い私にイライラしたのだろう。

しかし、今までの宿でこんなに早い時間の食事はなく、私にとって17時ころに宿に着くのは通常だった。

ご主人の小言から察するに、明日は5時に漁師のお客がおり、早く起きなければいけないらしい。

え。

宿の都合じゃないか。

ご主人はとにかく早く寝たいらしい。

他のお遍路さんと、共通の話題が多く、今後のお遍路道や、宿などの情報交換をして談笑していたのだが、食事がほぼ食べ終わると

「もう片付けていいですよね！早く寝たいので！」

とご主人はまたもやガチャガチャと音を立てながら食器を片付け始める。

早々に食堂を追い出されてしまった。

「機嫌が悪いんだね」

とお遍路さん同士で話しながら部屋に戻った。

宿自体はお風呂は広く、部屋も綺麗、食事も豪華で美味しい。悪くなかったのに、旅の中で出逢った怖い人2トップに躍り出た。

高知県はお遍路に冷たい人が多いと聞いてはいた。

GWと高知県の洗礼を受けた一日だった。