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2015.05.25 45日間の旅日記

最終日 満願成就 ありがとう四国

         
2015年5月25日 46日目 晴れ
参拝札所
87番(長尾寺)→88番(大窪寺)
歩数
37,204歩
距離
24.09km
宿泊
八十窪

最終日。

旅最後の見納めとなる、朝日に向かって歩き出す。

最終日が天気に恵まれて良かった。

思えば、旅の初日は雨だった。旅の中で少しでも成長して、仏様がご褒美をくれたのだったら嬉しい。

今日は、距離的にはさほど遠くはない。けれども最後の山道があるそうだ。

87番までは平坦なアスファルト道が続く。

次第に明るくなり、道行く人と行き交う。

逆打ちのひとは、ここからお遍路を始めるので、お遍路看板も多い。徳島県の一番札所に戻った気分だ。

商店街の中。

突如として現れた長尾寺。8時前に着いてしまった。

中は広場のよう。物が少なく、地面が広がる空間。

朝なので、昨日のように観光客はおらず、お遍路さんが一人二人いるだけだった。

静かに参拝を済ませて、、いよいよ88番札所へ歩みを進める。

建物が減ってゆき、緑が増える。

休憩所を素通りしたのは、この先のある場所に行きたいからだ。

緩やかな坂道をひたすら歩く。

ダム湖が見えた。地図ではこの辺りに、あるはず。

見えた。ここが噂の「おへんろ交流サロン」だ。

歩きお遍路さんは、ぜひここに寄って欲しい。

ここでは、お遍路をした証として、「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」をいただけるのだ。

私は、3046番だった。これだけの人数の人たちが、八十八ヶ所を巡り歩いてきたのか。その中の一員になれたのが誇らしかった。こういう形として残る物をいただけて、有り難い。今でも大切にしています。

交流サロンで休憩をして、最後の道を気張って歩く。

いよいよ、最後の難所、女体山へ。

入り口は、こんな感じ↓

民家を離れ、

本格的に山道に入る。

久しぶりの地面。石階段。何度も歩いた山道を思い返して、一歩一歩進む。

不思議なことに、全く疲れない。

体力が付いたんだなぁ。としみじみ思う。

看板通りに進む。さすが、この辺りは人が多いのだろう。整備されている山道だ。

途中の橋↓

最後までドキドキ感を味わえて嬉しいです。

階段を上ったり

降りたりと、さらに進む。

まだまだ山頂は遠いぞ。

階段を登ったと思ったら、岩山に入った。

↑怖い。今までのお遍路道で、ここまでの岩山は無かった。最後にこんな道を歩くとは。飽きさせないなぁ。と感嘆した。

岩山は体力をあまり消耗しないので助かる。

↑すっかり褪せた手ぬぐいと共に、山頂へ向かいます。

再び岩を登る。木の根に掴まりながら、ゆくっりと歩く。雨の日は気を付けないと危ない道だ。

途中、小学生くらいのお子さんと歩く親子に追いつく。怖い怖いと言いながらも、しっかり歩く子供が逞しい。

やっと、頂上に着いた!

石碑などが並ぶ少し平坦な場所があり、その先に展望スペースがあった。

おぉ。足がすくむほど、高い。だけれど、いい眺めだ。

少し休憩をする。

↓山頂と一緒に旅のお供を記念に撮った。初日に買った金剛杖も旅の中ですり減ってだいぶ短くなった。

この先は、下るだけ。階段を降りて行く。

難所と聞いて早めに宿を出たが、それほど疲れていないし、時間もまだ13時を過ぎた頃。早めに札所に着いてしまう。

あぁ。終わってしまう。

終わってしまうなぁ。

と、寂しさと、近づく達成感を感じながら歩いていく。

45日(観光を入れたら46日)。長いようで短かった。

昨日測った体重は、出発前から7キロ減っていたが、肌は真っ黒。一番減ったバストはげっそり(DカップがBカップになっていた笑)。足は筋肉でぶっとり。決して綺麗に痩せてはいない。

旅の初めはダイエットにもなればいいなぁ、と軽く思っていたが、旅を終えたからこそ言える。ダイエット目的ではオススメしない。帰ったら山猿と言われそう。

それに、旅の中で「食べれる時に食べなければ」精神が根付いている。これはきっとすぐ太る。。

沢山の人に会ったなぁと、出会いをしみじみと思い出す。

優しい人も怖い人も、全て含めて良い勉強になった。

毎日、宿の予約や初対面の人と会話しなければいけない環境で過ごし、旅の前より人見知りが無くなった。

仕事では、事務の電話が大の苦手だったけれど、少し成長できた気がする。

旅の中での食事も美味しかった。お昼はほとんど食べられなかったが、宿の夕食はいつも豪華。毎日、こんなしっかりした夕食を1ヶ月半も続けたのは社会人になって初だと思う。

高知の宿は、ほぼカツオのタタキで、飽きたと思ったが、今はそれも恋しい。

道後温泉はいつか観光で行きたいなぁ。

様々な思い出を踏みしめて、とうとう着いてしまった。

終わってしまった。

頑張った!

88番札所、大窪寺に到着!

門の前で、深々と頭を下げて、境内に入る。

さすがは最後の札所。中はとても広かった。

お遍路さんも今までのどこよりも多い。

最後のお経を唱える。

納経所で御朱印を頂く手が震えた。

これを受け取ったら、本当に終わりなんだと、時間がゆっくり進む気がした。

参拝を終えても、なかなか外に出る気がしない。

今日の宿は、札所の目の前。

時間はたっぷりあるので、お寺の前にあるお食事処で、念願の讃岐うどんを頂いた。

あまり馴染みのない生醤油をかけて頂く。

歯応えのあるモチモチとした麺。なるほど、これが讃岐うどんか。

久しぶりにまともなお昼を食べ、再び大窪寺を参拝し、名残惜しみながらも宿、八十窪へチェックインをした。

チェックインをしたら、私の名前を見た宿の人が、預かり物があるとある物を渡してくれた。

それは、1日先に旅を終えたAさんが書いた絵葉書だった。

満願成就おめでとう、とお祝いの言葉が綴られ、とても嬉しかった。

最終日の宿は同じだと、LINEで情報交換していたが、サプライズのプレゼントに感激した。

本当は絵葉書で返したかったけれど、すぐにお礼を言いたくで情緒も無くLINEでお礼を返す。

私も、二度目のお遍路があったら、知り合った人に同じサプライズをしてあげたい。

この日の夕食は、旅を終えたお遍路さん達と、これから逆打ちで始まるお遍路さんと、お祝いで賑わった。

女将さんがお赤飯を炊いてくれて、みなお酒も進み、旅の思い出を語り合った。

旅の途中で何度か顔見知りの人も多く、楽しい最終日を終えた。

これで、私の旅は終わりです。

辛い道のりだったけれど、やってよかったと心から思います。

日記を読んでくださった方々、ありがとうございました。

これから旅に出る方の参考に、少しでもお役立てできれば嬉しいです。

本日の宿

八十窪
オススメ度 ★★★★★
料金 朝夕食付き 6,500円
部屋の広さ 和室6畳
浴衣 部屋鍵
洗濯機(無料) 乾燥機(80分200円)
洗濯洗剤 ドライヤー
テレビ ハンドタオル
バスタオル 石鹸orボディーソープ
シャンプー リンス
その他 洗顔フォームあり。バス停のすぐ近く。ご飯が美味しい。女将さんが親切。旅の最終日に泊まる方が多く、女将さんがお赤飯を炊いてくれた。

本日の出費

宿泊費(朝夕食付き)
6,500円
昼食
500円
計 7,000円