45日間 四国八十八ヶ所歩き遍路の旅 | てんこのてくてく遍路道 - パート 40

2015.04.16

7日目 はじめての海

2015年4月16日 7日目 晴れのち曇り
参拝札所
22番(平等寺)
歩数
51,944歩
距離
33.59km
宿泊
ホテル白い燈台

まだ薄暗い中、宿を出る。私はいつも朝食を食べないので他の宿泊客より早く出ることが多い。とはいえ、いつも他のお遍路さんに抜かれるほど遅いのだが。

なだらかな下り道が続く。山道の国道沿いなの車通りはややあるが歩道がほとんどない。

端に避けながらしばらく歩く。

↓マムシキケン!

山道は蛇が怖い。実際この旅で2〜3回は遭遇した。なるべく山道を歩くときは金剛杖で足元を叩きながら歩いている。踏んでしまったら噛まれること必至だ。特に春先の旅だったので冬以外は気をつけた方が良いと思う。

風景が変わらず、ひたすら進むが疲れる。

↓こんな落書きが数百メートル続く道もあった。これは落書きだよな?お遍路さんのマナーとして、やめて頂きたい。ホントに。

下り道の途中で、小さな休憩小屋があり、中に入ると若い女性二人が休んでいた。

彼女達は石川県から来て友人二人で区切り打ちをしているらしい。

しかし、友達の一人はかなりグッタリしていて無言。友達の問いかけにも無言。

どうしよう。不穏な空気のところ話してしまったか?

私はお遍路一人旅だが、毎日疲れて辛い。それが二人で一緒にペースに合わせて歩くのは仲が良い友達でも喧嘩するだろうな、と、この一週間ばかりの経験で悟った。気持ちはとても分かる。もし一人ではなく誰かとお遍路をするなら長く連れ添った夫婦か、愚痴も言い合える家族が精神的に楽だと思う。

気持ちが分かるので、ムスっとした彼女に共感の眼差しを向けた。

しかも、彼女の足元を見ると、わたしが最近購入したものと同じ靴。

もしや、てくてくさんに同じ物を薦められた?

さらに足の辛さが分かるので、仲間意識が強くなる。ぜひ、話してみたかったが、機嫌が直らなそうなので、挨拶をしてお別れする。

山道を下っていくと、謎の建物が。

高台か展望台か?気になったが、足が疲れて仕方ないので特に追求せず通り過ぎる。

平坦な場所に出る。

田畑に囲まれた場所に、今日の札所、平等寺があった。

とても綺麗に整備されていた。

トイレ休憩もかねて、一休みする。

トイレに入って思ったが、この日を境に和式トイレが辛くなった。

膝が痛くて、しゃがめないのだ。

ここのトイレは和式と洋式があったので洋式を使わせてもらったが、入っている途中で観光客のおばさま2人が「和式しか空いてないわ」と喋っているのが聞こえた。

普段なら優先してあげるのだが、私も今は和式は無理。申し訳なくなってそそくさとトイレを後にする。

休んでいたベンチでお爺さんに声をかけられた。大変かと聞かれたので素直に足と腰が痛いという。

お爺さんは「病院で湿布もらえば一発で治るよ。薬局の湿布じゃなく病院のじゃないとだめ!」

と湿布について熱く教えてくださった。

しかし、お爺さん。土地勘もなく旅の途中で湿布のために病院に行くのはなかなか厳しい。

旅の前だと膝も腰も痛くないので湿布は出してくれないだろうし、なかなか入手しにくい情報だ。

と、休みすぎた。

気持ち新たに、歩き出す。

今日はこの平等寺で参拝は終わり、後はホテルに向かうだけだ。

今日はとにかく足が辛い。変えた慣れない靴と疲労が足に集中しているのだと思う。

トンネルがあり、景色で気分転換も出来ない。

黙々と歩くとカニに注意の看板が。

もしや、海が近いのか?

旅が始まってからずっと山だったので、辛い気持がやや浮上する。

なだらかな道下り道の後、見えました!

海ー!

テンションが上がる。

海無し群馬県人は海が好きなのだ。

「うみ〜はひろいな〜おおき〜いな〜」のあの歌は群馬県人が作詞したのいうのは有名なご当地ネタだ。

海辺の田舎道を歩く。

そういえば、飲食店が見当たらない。

またお昼を食べ損ねてしまった。

お腹が空いたので飲食店を見つけたら入ろうと決めるが、見当たらない。

お店がない。海はあるが食べ物がない。

今日泊まる宿はじゃらんで予約したため、朝食のみのプランだった。

つまり、せめて夕食を買わないと今日一日、食いっぱぐれることに。

こんなことなら朝ごはん食べればよかった!

すると、民家のような建物が商店だと気づく。

中を覗くと、カップラーメンが見えた。

とにかく夕食を買わなければいけないと思い、ここでカップ焼きそばやチョコ菓子を買った。

お腹が空いたのと、足が痛いのと。

歩みがどんどん遅くなる。

次第に薄暗くなってきた。

宿のチェックインの時間に間に合いそうに無いので、ホテルに遅れることを伝える。

優しく丁寧に対応してくださった。

海沿いはクネクネとした道で曲がり角の先にホテルがあるか!と期待を込めて曲がると何もなく、それを何回も重ねて、19時近くでやっとホテルに到着!

辛かった!

この日は、旅を始めてから今までで一番歩いた日だった。

ホテルのロビーでチェックインをすると、フロアに「レストラン」の文字が。

なんと。レストランあったのか!

夕食はここで食べられたのだが、買ったカップ焼きそばを部屋で食す。

疲れたので自分へのご褒美でビールを買った。

民宿でなく旅はじめてのホテル泊。

お遍路さんと交流できる民宿も良いが、誰とも関わらない気楽なホテル泊もたまには良い。

お風呂は大浴場で露天風呂もあった。

足がとにかく辛いので、明日は20キロほどに距離を減らして歩こうと思う。

本日の宿

ホテル白い燈台
オススメ度 ★★★★☆
料金 朝食のみ 8,640円
部屋の広さ 洋室ツイン
浴衣 部屋鍵
洗濯機(200円) 乾燥機(200円)
洗濯洗剤(有料) ドライヤー
テレビ ハンドタオル
バスタオル 石鹸orボディーソープ
シャンプー リンス
その他 トイレ、バス部屋にあり・大浴場、露天あり・レストランあり・アメニティー充実

本日の出費

宿泊費(朝食のみ)
8,640-2,200(ポイント引き)=6,440円
ビール
400円
夕食代
855円
計 7,695円